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月別アーカイブ: 2025年5月

第4回プロが教える!管工機材&住設機器徹底ガイド

皆さんこんにちは!


株式会社ロクロヤ、更新担当の中西です。

 

 

 

【第4回】配管材・継手の種類と使い分けテクニック

~耐久性・施工性・コストを見極めた最適選定とは~

第4回は、配管工事の中核を担う**「配管材」と「継手(ジョイント)」**に一般的な市場での動向を基にフォーカスします。

現場では、「鉄管と樹脂管、どちらがいい?」「継手の圧着方式は?」「メンテナンス性を重視した配管経路は?」といった疑問が尽きません。
ここでは、主要な配管材の種類と、それぞれに適した使用環境・接続方法について詳しくご紹介します。


◆ 配管材の主な種類と特徴

 

✅ 銅管(C1220T)

  • 耐久性・耐熱性に優れた金属管

  • 主に給湯配管・ガス配管・空調冷媒用に使用

  • 加工にはバーナー溶接(ろう付け)が必要

  • 酸化しやすいので、絶縁処理や断熱処理が必須

 

✅ 架橋ポリエチレン管(PEX管)

  • 軽量で柔軟性があり、曲げ加工しやすい

  • 耐熱性・耐食性に優れ、住宅給湯・給水に広く普及

  • 押し込み式・圧着式など接続方式が多様

 

✅ 塩ビ管(VP・VU)

  • コストが安く、排水・通気管での使用が主流

  • 剛性が高く、埋設や露出配管にも対応

  • 耐熱性にやや劣るため、給湯配管には不向き

 

✅ ステンレス管(SUS304)

  • 耐腐食性・強度に優れ、ビル設備・病院・食品工場などで活用

  • 専用継手(拡管式・溶接式)での高精度接続が必要

  • コスト高だが、メンテナンス性と衛生性が高い


◆ 継手の種類と接続方法

 

継手の種類 適用配管材 特徴
ネジ込み継手 鉄管・一部の銅管 昔ながらの方式。耐震性にやや難がある
ロー付け継手 銅管 高温加熱で金属同士を接合。熟練技術が必要
ワンタッチ継手 PEX管・架橋管 簡単施工が可能。ミス防止構造を採用
メカニカル継手 ステンレス管 Oリングとバンドで確実に圧着。漏水リスクが低い

◆ 現場での使い分けテクニック

 

  • 屋内配管(見えない箇所) → 柔軟性と耐久性を考慮し、架橋ポリエチレン管+ワンタッチ継手が主流

  • 露出配管・高温配管 → 銅管やステンレス管が適し、見た目と性能を両立

  • 改修現場・短時間施工 → 配管ルートの自由度が高く、圧着継手や差し込み式が時短施工に最適


【まとめ】

 

配管材と継手は、「適材適所」の組み合わせが絶対条件です。
耐久性・施工性・コスト・保守のしやすさを総合的に見極め、現場の状況に最適な構成を提案・実行できるスキルが、プロとしての信頼につながります。

次回は、バルブ・止水栓・減圧弁といった制御機器編を予定しています。

株式会社ロクロヤは、管工機材・住設機器の卸販売を通じて、施工業者様のコスト削減と品質向上を全力でサポートします。

今後とも本シリーズを通じて、皆様の現場業務に役立つ情報をお届けしてまいります。


次回もどうぞお楽しみに!

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第3回プロが教える!管工機材&住設機器徹底ガイド

皆さんこんにちは!


株式会社ロクロヤ、更新担当の中西です。

 

 

 

【第3回】給湯・給水機器ガイド:ガス・電気・エコキュートの特徴と現場での施工ポイント

 

 

 

今回は、住宅・施設・商業建築における給湯・給水機器について一般的な市場での動向を基に徹底解説いたします。

給湯・給水は、日常生活の“快適さ”を支える非常に重要なインフラです。ところが、建物の用途・使用環境・設置条件によって、最適な機器は大きく異なるため、「どの機種を選べばよいか」で悩む施工担当者・施主様も少なくありません。

本稿では、代表的な3つの給湯設備――ガス給湯器・電気温水器・エコキュートについて、それぞれの特徴、メリット・デメリット、施工時の注意点を詳しくご紹介します。


◆ ガス給湯器(瞬間式・貯湯式)

 

◎ 特徴:

  • 都市ガスまたはLPガスを使用

  • 水を瞬時に加熱する「瞬間式」が主流

◎ メリット:

  • コンパクトで設置場所を選ばない

  • ランニングコストが比較的安い

  • 給湯までの待ち時間が短い

◎ デメリット:

  • ガス配管が必要(新設時には施工コストがかかる)

  • 停電時でも使用可能だが、ガス切れには要注意

◎ 現場での施工ポイント:

  • 必ずガス種(13A、LP)に対応した機種を確認

  • 排気筒や給排気トップの位置に注意(特にFF式・FE式)

  • 機器周囲の換気空間・保守点検スペースの確保


◆ 電気温水器

 

◎ 特徴:

  • 電気ヒーターで水を加熱し、タンクに貯める方式

◎ メリット:

  • 火気を使わないので安全性が高い

  • 夜間電力で経済的に湯を沸かせる(時間帯別電力契約)

◎ デメリット:

  • 貯湯型のため設置スペースが大きい

  • 湯切れする可能性がある(家庭構成に応じた容量設計が必要)

◎ 現場での施工ポイント:

  • 200V単相電源専用ブレーカーの設置が必要

  • 転倒防止のアンカー固定、搬入経路の確保

  • 設置場所は水漏れ時に被害の少ない場所を推奨(例:屋外、脱衣所)


◆ エコキュート(ヒートポンプ式給湯器)

 

◎ 特徴:

  • 空気熱を利用してお湯をつくる省エネ機器(CO₂排出量が少ない)

◎ メリット:

  • **高効率(COP 3.0〜5.0)**で電気代が安い

  • 環境負荷が小さく、ZEH・省エネ住宅に対応

  • 貯湯量が多く、深夜電力の活用で経済的

◎ デメリット:

  • 初期導入コストが高め

  • 屋外ユニットの騒音や風向きの配慮が必要

◎ 現場での施工ポイント:

  • 貯湯ユニット+ヒートポンプユニットの2台設置が基本

  • 基礎設置(コンクリートベース)が必須

  • 排水・ドレン処理のルート確保と凍結対策を忘れずに


◆ 最新トピック:省エネモデルの進化

 

近年の省エネ機器には、以下のような機能が標準化されつつあります。

  • 自動配管洗浄・抗菌仕様

  • スマートフォン連動(遠隔操作・見守り)

  • ソーラーパネルと連携した給湯制御

  • 災害時の非常用給水対応(エコキュートの非常栓)

 

導入にあたっては、初期費用だけでなく、将来の電気代やメンテナンス性もトータルで比較するのが成功のカギです。


【まとめ】

 

給湯・給水機器の選定は、現場条件・ランニングコスト・安全性・省エネ性能のバランスが重要です。
施工業者としては、機器ごとの特徴を理解し、的確な提案と丁寧な施工で差別化を図りましょう。

次回は、配管材・継手の種類と使い分けテクニックについて解説します!

 

株式会社ロクロヤは、管工機材・住設機器の卸販売を通じて、施工業者様のコスト削減と品質向上を全力でサポートします。

今後とも本シリーズを通じて、皆様の現場業務に役立つ情報をお届けしてまいります。


次回もどうぞお楽しみに!

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